[スタッフブログ]カウンセラーは、下に降りて行こう!

この1年間、受講生から学んだ言葉で、もっとも印象的だった言葉
それは、ある受講生が言った

「引き上げてくれるのでなく、降りて来てくれた」

という言葉
この言葉、今年一番ではなく、
これまでで一番といってもいいくらいに感銘を受けた

授業では、カウンセラー役、クライアント役に分かれて、
話の聴き方の実技練習をする。

上記の言葉は、
クライアント役をした受講生が、
練習後の振り返りで発した言葉であった。

その方は、
「カウンセラーが、引き上げてくれるのでなく、降りて来てくれたのが良かった」
といった感想を述べた。

この言葉はとても深く、
カウンセリングの真理をついていると思った

カウンセリングの実技練習でよく見かけるのは、
元気がなかったり、悲観的なクライアント役に向かって、

「気持ちはよくわかるよ、元気出そうね」
「それってすごいよね! まだまだいけるよ」
「こういったいい点もあるんじゃない?」

などといった、
クライアントを上に引き上げようとするカウンセラーの対応である。

こういった対応について、決して全否定はしない。

ただし、
特につらい状況にあるクライアントにとっては、
自分が元気を出したり、前向きになるのは、
実はとても難しいことが多いのである。
それはわれわれの想像をはるかに越えることもある。

こういったときには、
クライアントを上に引き上げようとするよりも、
カウンセラーの方が歩み寄って、
クライアントのそばに降りていくのがよい。

「そっか、そうだよね。そうはいってもうまくできないことの方が多いもんね」
「くよくよしたっていいんだよね、今はそれが必要なんだよね、ゆっくり休もう」
などなど。

そして、
クライアントにしっかりと寄り添って、
一緒にあれこれと考え、相談して、
そのタイミングが来たら、一緒に上に行くのがよい。


(こころアカデミー 講師 新行内勝善)

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